42.願い
『ブワーッと燃え上がるんじゃないかって思ってー』
(燃え上がる・・・か。こいつ、自分の願望まで変えて…)
茶化したように言われるとどうしても素直になれない。
薫は悩んでいた。
(だいたいだな。こいつがああいう風に茶化すからだな…)
「うーん…むにゃむにゃ…かおる…さん」
(ちゃんと真剣にしてくれれば…俺ももっと素直に―…)
「…ふふー・・・やだ薫さん…むにゃむにゃ…そんなとこがいいんですか
…ほら、してあげますからー…ふふ・・むにゃむにゃ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
(――っ! 撤回だ!撤回!危ない、流されるところだった
俺はなぜお前にハートなんて出てしまったんだ?!
俺は、お前なんかにハートは出したくなかったんだ!
できればリセットしてやりたい!)
そのとき、薫の耳にはっきりと声が聞こえた
その願い、聞き届けた―
それは、管理人にとっても恐怖のリセットボタンであった・・・。
新2世帯へつづく