15.握手


これが神の与えた試練なら仕方ありません。
リオネルが快適に過ごせるように僕は兄としてリオネルを守ります。
それに、カロンさんだってサイレス君だって本当はいい悪魔さんです。
サイレス君はまだ子どもだからやんちゃなだけで、きっとカロンさんと同じく優しい心だってもってるはずです。

「リオネル、お兄様は少し心配だっただけですよ、ほら、泣かないで?
久しぶりのリオネルの顔です。どうせなら笑顔が見たいですよ。笑って?」


「お兄様…。えへへ…」


リオネルは照れたように微笑んでくれました。…一安心です

「さぁ、中にはいりましょう」
「はい!」

「いいですか・・・お兄様が今からいう事をきちんと聞いてください。ここには・・・・・」

(お兄様と一緒です…!)





「ん? なんか天使の奴がしゃべる声が聞こえるな?」

(気配も何だか悪魔じゃなさそーだ…怪しいやつでも家に入れる気じゃあるまいな…)

兄貴の邪魔になる奴は排除だ。様子でも見に行くか…。

「あぁ、サイレス君」

「なんだよ」

「今日から僕の弟もこちらに住むことになりましたので紹介しますね」

・・・なんだと? おいおい、うっとーしい事この上ないな。いったいどんな・・・・


「・・・・・・う」

なん…だ、このキラキラオーラは・・・・。

「弟のリオネルといいます。リオネル、悪魔カロンさんの弟さんでサイレス君です」

・・・リオネル? あぁ、こいつの名前か・・・・・

「あ…はじめまして、サイレス…さん。あの、ぼくリオネルです…よろしくしてください! あ、お友達になってくださいね!はい、握手です」

「・・・う」

第一印象でバッチリ上下関係を築くのが俺のやり方だが…。
俺とした事が思わず押されて大人しく握手されしまった…。なんだ、こいつ…。
厄介な奴かもしれないな…

つづく