5.日記

引越ししてきた僕たちに挨拶をしに、数人の方がこられました。
普通の方、女性の悪魔の方、そして、バナナの方もこられました。
僕はバナナの方を初めてお見かけするので、どういった話題がお好きかわからず
とりあえず一緒にテレビを見てみる事にしました。

バナナさんがつけた番組は、バナナの方が沢山出てきて何だか
シリアスっぽい内容だったのですが僕には少しわからなくて困ってしまいました。
でも、バナナさんは真剣にそれを見ておられました。

「不思議な番組ですねぇ」
バナナ「・・・・」

どうやら無口な方のようです。なんとも切なげな顔をなさるので、きっとこれは
恋愛ドラマか何かなのでしょう。
お邪魔してはいけないと思い、僕は綺羅さんの部屋へ行く事にしました。

「さて、今日のできごとでも書いておきましょうか…」
なぜ綺羅さんのお部屋で日記をつけたのかは、僕もわかりませんが
きっと、綺羅さんのお部屋なら、誰にも邪魔されず日記が書けると思ったのかもしれません。

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今日は、悪魔のカロンさん、その妹のラプンツェルさん、そしてメイドの綺羅さんと
出会いました。はじめはカロンさんと二人で暮らすのだと思っていましたが
予定外のお二人がいて、少しだけ残念に思いました。
決してお二人が嫌だというわけではないけれど、
僕は悪魔さんと2人で暮らしたかったのです。


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このような本音を文章として残しておいていいのか悩みましたが、
自分しか見ないものですし、僕の素直な気持ちを書くことで自分をもっと
知る事に繋がるのではと思い、思いつくままにいろいろと書いてみることにしました。

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悪魔のカロンさんは、意地悪なようでいて、根のいい方だと感じました。
僕はとっても素敵な悪魔さんと出会えて嬉しいです。
攻撃的な態度とまなざしの奥にある感情を僕はもっと知りたいと思いました。
きっと、悪魔さんと仲良くなった天使なんていないでしょうから、僕がその1人目に
なるのでしょう。いまからとても楽しみです。
仲良くなったあかつきには・・・・


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僕が、しばらく日記を書くことに没頭していると、頭の上から声がしました。

「確か綺羅の部屋にあったとおもうんだがな〜…。邪魔だ、どけ」

気付かないうちに、カロンさんがお部屋に入ってきているのでした。
僕は驚いてあわてて日記を隠しました。

―――僕は。
…僕は、なんて素直に気持ちを書きすぎたのだろうと我にかえりました。
恥ずかしくて、とても人に見せれた日記ではありませんでした。
カロンさんに見られなかったでしょうか・・・

つづく

※バナナの着ぐるみは「たなかり@Sims2」様にてDL。
(現在はDLできません)
 街中歩いてるのを見かけたりしたら面白くて大好き。感謝です。