21.ヌクヌク

ザラザラザラ・・・・

「ホントにかわいいね〜ヌクヌク」
「でしょ。もうオレ一目ぼれってカンジでさ」



「よっし。さ、ヌクヌク〜ゴハンだぞ〜」

・・・ヌクヌク、見当たりませんねヒロ。

「あ〜、ヌクヌクなら今さっきご機嫌な足取りでどっかいったよ?」
「え〜・・・さっきあんなにハラ減ってそうだったのに…」



「お〜いヌクヌク〜! どこいったんだよ〜? ゴハン入れてやったんだぞ〜?」

・・・ガシャン!!

「んっ?」

この音は・・・・・



「あ〜〜〜! やっちゃって・・・!」
(むむっ! ヒロ! 我輩、大収穫でありますよ〜♪)
「コラ、ヌクヌク。これはダメなやつなの!!」
(・・・・えっ。ダメだったんでありますか!?)
「ハラ減ってたんだろうけど…。これはもうしちゃダメ!」
(・・・・なんででありますかぁ〜・・・しゅーん。わかったであります…)
「・・・・・・もう、あからさまにしょげるなよ〜ヌクヌク」



「ヒロ〜?見つかった・・・(あれ、遊んでる・・・)」



叱るのはソコソコに、片付けをロビンにまかせて遊んじゃってます。ヒロ。

(ワフッ!ワフッ!なんだか楽しいであります〜♪)

「あ、直帆。ヌクヌクってばね、ゴミ箱倒してたんだよ〜」
「・・・ごみ箱倒してたのに遊んであげてるの〜?」

直帆さん、きっと自分も遊びたいんです。ヌクヌクと。

「ちゃんと叱ったよ。叱って、遊んでんの」
「ふぅん。ヌクヌク、きっとおなか減ってたんだね」
「あ、そ〜だ。ヌクヌク、ゴハン入れたんだよ」
(お! いいでありますな! おなか減ったであります!)



(お〜! こらまた大盛りでありますな!)
「沢山食べるんだよ〜、ヌクヌク」
(もちろんであります!)
ぱたぱた。



(むむっ、コレは!!!)

ど、どうかしましたか。

(カリっという触感とやわらかくジューシィな触感、二つの違った触感が
絶妙に交じり合って…たまらんでありますな!)


ガツガツガツガツ・・・・
どうやら、ヌクヌクは違いのわかる犬のようですね。

つづく