14.展開

直帆さんから情報を聞き損ねた薫さん。
その日も会社でもんもん過ごしたそうです。

(今朝、直帆は何を言いかけていたんだ。あんなに言いづらそうに…
結局聞けなかったが・・・・まさか!朋聡の悲報なんかじゃないだろうな・・・・。)


人間、どんどん悪い方へ考えてしまうもんですな・・・。

(そうだ、それを俺が知ればショックを受けると思って、早瀬が内緒にしていて・・・
だから早瀬は橘の話をそらしていたし、直帆も言えなかったんじゃないか?)

(そうだ…きっとそうだ…。最悪の場合の心の準備を…よし!)

薫さん、腹をくくったようです。

(ここは直帆にハッキリ聞こう…)

ザバー・・・・

しかしその頃、区画のポスト前では・・・

「ブギウギウ〜ガガ ブゥギウゥ〜♪ あれ、古い新聞が置きっぱになってる」

おっ。薫さんとは正反対な陽気な感じで帰ってきた!!!
しかも歩けてる!よかったね・・・

「薫さん、ちょっとは寂しがってくれたかな〜♪」

いえ、あなたの想像以上のことになってますってば
きっちりしてる薫さんが新聞を取り忘れるくらいなんだから

そして、またまたその頃家の中ではこんなことが・・・・・

(…な・・・・・直帆・・・・・)

うわわわわ・・・・・えらいことですよ!!!

「ヒロ…部屋以外ではダメだっていってるでしょう」
「だいじょぶだよ〜。さっきフロ入ってったじゃん〜」

こそこそ・・・・

泣きっ面に蜂とでも申しますか。大事な親友、純真な直帆さんがいつの間にか大人に・・・
いや、ホモになっていただなんて・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・早瀬」

「・・・・!!!!! う、うわ、一ノ瀬さん・・・・(や、ヤバ・・・つーか笑顔が怖い…)」

「…か 薫・・・・」

つづく