10.続・泳ぐ!朋聡

朋聡の奇病を前に、若干の責任感を感じた薫さんは
一ノ瀬グループの総力をもって治療すると、朋聡さんを
病院へ連れて行くのでありました。

一ノ瀬グループの最先端の施設、医者全てが集まり、
夜を徹して朋聡の治療にとりかかった。




「・・・・・治らなかったな・・・」

「そうですね…。でも頭が痛いのは治りましたよ」
(薫さんちって、すごいんだなー・・・行ったら全員総出でお出迎えだったし・・・)


「・・・お前、どうする。橘」

「どうするって・・・」
(責任とって一生暮らして欲しいなんて言ったら怒るかなー・・・)


うん、きっとそれ言ったら怒りますね。今は言わない方が懸命です。

「とりあえず、しばらく仕事は探さなくていい。・・・・・・・・・・・うちにいろ・・・

「えっ、薫さんすみません。遠いからちょっと聞こえづらくて。何ていいました?」

あちゃー・・・重要なとこ聞き逃してるますよ、朋聡さん・・・

「な、何も言ってない。とりあえず仕事の心配はするな。どうにでもなる。
じきに研究チームがいい治療法が見つけてくれる。それまでの我慢だ」


「はい〜。それまで優しくして下さいね〜?薫さん」

「あのな・・・それはお前の行動しだいだ」

「ちえ〜」

「ちえ〜、じゃない。バカ」





「うう〜ん。トイレ行っても駄目、出かけても駄目。寝ても駄目。もっかい泳いでも駄目。
・・・お風呂はちゃんと入れるな〜これで治らないかなー」


うん。お風呂はちゃんと入れてるね、朋聡さん。 これで上がって治ったらいいんだけど。

「・・・・これで気を遣わせつつ仲良くなるっていうのもいいけど〜。なんか、やっぱり
それじゃぁ面白くないっていうか、俺らしくないというか・・・。
それになんかかっこ悪いし。どうせならやっぱり口説いたりとかしたいしなぁ
これじゃ雰囲気も出やしない」


あなた、自分の体じゃなくてそっちですか。

「戻る方法、戻る方法・・・・ううーん」

ポク ポク ポク ポク ・・・・・・   チーン!

「…ひらめいた!最終手段だったけど、うまくいけばこれで薫さんとも・・・フフ」

ひらめきましたか。ホント、何やっても駄目でしたからね・・・。
最終手段って、やっぱりもうそれしか残ってないですよね・・・。

さて、その最終手段とは・・・次回。


【おまけ】その頃残り2名は・・・―――――――――――――――――

「なーお。どう? ここ? あ、ゴリゴリしてる〜」

「ん〜そうそう、そこ。気持ちいい〜。ありがとう〜」

・・・・相変わらずでした。